乳癌に対する手術的治療の近代史は、大胸筋や小胸筋といった胸の筋肉も取り、さらに肋骨の一部も切除して、鎖骨の下や腋窩のリンパ節と共に内胸動脈という胸骨の裏側にある動脈周囲のリンパ節を郭清するという「拡大乳房切除術」という術式で始まりました。その後、内胸動脈周囲のリンパ節郭清は行われなくなり、さらに、胸の筋肉も切除しない術式が一般的となりました。このような、「縮小手術」の流れは、さらに勢いを増し、現在では、早期乳癌に対し「乳房温存術」を中心とした様々な縮小手術が行われるようになっています。外科医は常に、この癌に対してこの手術は適切かという問題と向き合いながら、最良と信ずるに足る術式を選択しています。その中で、これくらいの小さな癌ならば、手術をせずに、もっと他の方法があるのではないかと思う事があるのもまた事実です。
そこで、近年、研究され始めたのが、「ラジオ波治療」です。癌細胞は熱に弱く、熱を利用して死滅させる事ができるという事は、以前より解かっていました。しかし、どのようにして癌に直接熱を加えるかが問題となっていました。これらの問題を一挙に解決したのが、ラジオ波やマイクロ波を利用した電磁波による治療と言えます。電磁波治療では、癌に対し直接針を刺し、その針から熱が生じるために、癌に対し直接的に有効な熱を加える事ができるのです。
現在、肝臓癌に対してのみ、電磁波治療が医療保険適応となっていますが、我々は肺癌と伴に乳癌に対しても、この新しい治療法に取り組む事と致しました。
(電磁波治療については、肺癌の自由診療についてのページもご参照下さい) |