当院におけるマンモトーム生検について
茨城県・守谷慶友病院 放射線科1)、同 内科2)
1)湯沢 真世・2)今村 明
 
はじめに

近年、乳癌の発生率及び死亡率が増加しているのは周知の事実であり、早期発見・早期治療が肝要であることは言うまでもない。このような状況下で、特に非浸潤性乳管癌の診断が重要視されているが、その確定診断を得るための一つの手段として、マンモグラフィ上、微小石灰化像を呈する病変に対しては、ステレオガイド下吸引式乳房組織生検装置(以下、ステレオガイド下マンモトーム)が大きな役割を果たしてきていると言える。
マンモトーム生検では、外科的生検に比し、低侵襲であるにもかかわらず、微小病変でも確定診断を得るための組織量が採取可能であり、今後さらに普及する可能性を秘めていると思われる。
当院では2004年11月よりステレオガイド下マンモトーム生検を導入し、現在までに44症例中4例の非浸潤性乳管癌を診断し得た。
今回、我々の経験した症例を呈示するとともに、現時点でのステレオガイド下マンモトーム生検における有用性及び今後の課題等について検討し報告する。

結果
期間は     2004/11/25〜2007/5/14 
症例数     44例  患者平均年齢 54歳(45〜75歳)
検査時間    患者入室からマンモトーム抜去までとし 平均55分
病理組織診結果 良性 40例  悪性 4例
合併症     皮下血腫1例

 
症例1

40歳 女性
主訴 左乳房痛 既往歴 特になし 臨床所見 特になし
MMGで左D領域に集簇性の微小石灰化がみられ、カテゴリー3と診断した。
乳腺エコーではモトイドパターンを認めるが、明らかなmassは描出されなかった。
ステレオガイド下マンモトーム生検施行し、intraductal carcinomaの病理診断を得た。

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症例2

42歳 女性
主訴 左乳房にしこり? 既往歴 特になし 臨床所見 特になし
MMGにて右C領域に集簇性の微小石灰化を認め、カテゴリー3と診断した。
乳腺エコーでは同部と思われる部位に軽度乳腺実質の不整が認められたが、明らかなmassは描出されなかった。
ステレオガイド下マンモトーム生検施行し、intraductal carcinomaの病理診断を得、乳房温存術を行った。

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考察

検査時間の短縮化
一般的に検査時間は40分程度と言われている。患者さんの苦痛も考え、さらに検査時間を短縮できないか検討した。
グラフは同技師が担当した検査時間で、縦軸が時間、横軸は日付である。
結果で、今までの平均検査時間は55分と報告したが、最初9件の平均検査時間は58分、最近9件の平均検査時間は42分であった。徐々に時間が短縮されてきており、ばらつきも少なくなってきている。
この他に、ターゲットとする石灰化が皮膚表面近くにある場合や、撮影方向によって生検針が写真の中央に重なってくる位置にある場合、オート撮影では石灰化が写らず、再撮となってしまう事があった。再撮にかかる時間と無用な被爆を防ぐ為、最近はマニュアル撮影に切り替えて行うようにしている。
また、将来的にはMMGのCR化で、現像時間を省略できれば、さらに検査時間を短縮できると思われる。

 
 
マンモトーム生検を行う際の工夫

検査を行う上で、気づいたことについてまとめる。
まず、検査を行うにあたって、途中で動いてしまう事が無いように、最初の位置決めで座り具合などをよく聞き、安定した位置で固定することはとても重要であり、ターゲットとなる微小石灰化の位置により、CC或いはMLのどちらが固定しやすいか考慮する必要がある。
また、患者のストレスをなるべく軽減するために、こまめに声掛けをしてコミュニケーションをとるようにしている。
さらに、マンモトーム生検針は開口部が19mmあるため、乳房圧迫時の厚さがそれ以下の場合には不向きとされているが、局所麻酔をする際に、厚さが足らない方へ麻酔を多く入れて厚みを増やし、採取可能となるように調節している。

 
採取組織片の確認方法
微小石灰化が採取できたか否かは、当院にはマンモグラフィ装置が一台しかない為、別室の一般撮影装置で採取組織片を拡大撮影し、石灰化が採取されている事を確認している。
先ほどの症例2の画像のような、比較的明瞭な石灰化であれば、確認は容易にできる。
 
 

しかし、症例1のようなごく淡い石灰化で、MMGでもかすかに写る程度の石灰化の場合、拡大撮影をしても、判断できないことがあり、この点に関して、課題が残っているといえる。
CR化で、コントラストや輝度を変更できるようになれば、淡い微小石灰化も確認できる可能性もあると思われる。

 
 
結語

マンモトーム生検において確定診断を得られた非浸潤性乳管癌について報告した。
マンモトーム生検は、特に微小石灰化病変に対する診断において有用である。
今後の課題として
検査時間の短縮化
採取組織片の石灰化確認
が重要であると考えられた。